Khanate「Khanate」【地下音楽】

日本盤では3rdの「Capture/Release」しか出ていなかった彼らのアルバムでしたが、このたびやっと1st、2ndともに日本盤でリリースされました。
しかも、レアな音源を収録したボーナス・ディスク付き!


で、早速聞いてみました。
今日は、1stだけを。

まず、ギターの音が鋭いのが耳につく。
最初はよりメタル的な音を出してたということだ。
また、もっと耳につくのがハウリングノイズ。
これはもちろんその効果を狙ったもので、神経を逆撫でられる。


しかし、それにしてもこの圧殺リフは素晴らしい!
ホントに極めんとする姿勢の産物だ。
この重苦しさには・・・常人は1分と耐えることができないだろう。
どの曲のどの部分を聞いても
「俺は絶望している!俺を殺せ!お前も道連れだ!みんな死ね!」
という風にしか感じることができない。
特に、ボーカルが単なるデスヴォイスというわけでもなくヒステリックに喚き散らしているところが、ますますこの閉鎖感を際立たせていると言える。


これと比べれば、リー・ドリアンのTeeth of Lions Rule The Divineは希望を見出せるものに感じられてしまう。
隙間という隙間から、憎しみが溢れ出ている。


どうしてこんなに暗いのか。
どうしてこんなに重いのか。


・・・しかし、その暗さや重さが、聞いているうちに快感に変わる。
自分自身の異常性を、このバンドの音に重ねていく・・・そうした一体化は、ポップミュージックで慣らされた耳には決して理解されることはないだろう。
絶対的なリスナーの数というのは限られている。
しかし、その限られた中でこそ、表層を突き破った深い場所で、静かにカタルシスとしてリスナーに訴えかけてくるものがある。